ぼくは、両手で抱えた小さな風呂敷包みにぐいと力を込め、受付に向かった。二人の女性が座っている。その右側の短髪の女性の前に進み出ると、緊張した面持ちで名を告げた。受付嬢は口元に笑みをたたえ「はい」と答えてからデスクに目を落とし、すぐに顔をあ…
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